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2021 東京藝術大学 デザイン科
合格者インタビュー1
今年度、東京藝術大学 デザイン科に合格された佐々木暖さんのインタビューです。
佐々木暖さんの東京藝術大学対策
インタビュー
インタビュアー:受験し合格した大学と専攻をすべて教えてください。
佐々木さん:
東京藝術大学 デザイン科
多摩美術大学 グラフィックデザイン学科
多摩美術大学 統合デザイン学科
以上です。
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インタビュアー:受験生活の中でどのような事を意識していましたか?
佐々木さん:毎回の課題をただこなしていくのではなく、前回の講評で指摘された課題や自分が陥りいがちな傾向を修正していく意識を忘れないようにしていました。
前回よりも何かしら成長できるように、いくつか向き合うべき課題を洗い出しておいて、課題ごとにどの問題点を克服できるかを当てはめ、対策を立てるようにしていました。
また、講評は絶対に自分以外の人のものも聴いて、自分が活かせそうなところは必ずメモするようにしていました。
インタビュアー:あなたにとっての浪人生活はどのようなものでしたか?
佐々木さん:かなりしんどかったです。
おちゃびで課題をしている間は課題以外のことをなにも考えずにいることができ、苦しくも楽しかったのですが、毎課題、家に帰ったあとや講評中に自分のできなかったことを何度も反芻して落ち込んでいました。
インタビュアー:学科対策はどんな方法でやっていましたか?
佐々木さん:夏頃に思い立って参考書を探して買い、30日完成のドリルなどを気が向いたときや実技のことを考えたくないときに解いていました。
また、英語のニュース番組を聞きながら作業したり、英語の本を読んだりしていました。
11月ごろに河合塾のWEB模試を受け現状の学力を確認しておき、入直で学科を3日だけ取りました。
あまり計画的に学科の対策をできなかったので、体調管理も兼ねて試験前は一週間おちゃびを休んで学科の対策をしていました。
過去問は解いておいたほうが試験で焦らずに済むのでよいです。
特にリスニングは対策しておいたほうがよいかもしれません。
インタビュアー:日頃の実技制作中に気を付けていたことはありますか?
佐々木さん:
≪石膏デッサン≫
手数は入れられる方だったので、焦らずに印象をじっくり合わせることに気をつけていました。
どんなデッサンにしたいか、完成形をイメージして描いていたときはうまくいっていたときが多かったです。
立体の理解をしておくために、描く前に像を全方向から眺める時間を必ず作っていました。
離れて確認するのが苦手だったのですが、今考えたら損なことをしていたなと思います。
≪色彩構成≫
描写が得意だったので、見せ場をそこに作れるように意識していました。
試験では何十枚も絵が並んでいる中で一瞬しか見てもらえないので、課題ごとにどうすれば自分の絵が埋もれてしまわないかを考えて構成していました。
課題文とは別に、自分の中での小テーマ・方向性を決めて、どう強めていくかについても考えていました。
モチーフがあった場合、他の人よりも特徴を一つ以上多めに観察して捉えるように意識していました。
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≪立体≫
精度だけは必ず上げ切るようにしていました(表面処理だけの話ではなく全体的な形のまとまりなどについても)。
試験時間よりも1時間早く終わるように時間配分を明確に決めておき、思ったよりも作業に時間がかかったときのための保険にしていました。
余計な要素をとにかく削る事を考え、今作ろうとしている要素がこの作品において本当に必要かどうかを吟味するようにしていました。
インタビュアー:試験を終えたときに手ごたえはありましたか?
佐々木さん:ありました。
ただ、デッサンと色彩はいつも通りうまくできた感覚がありましたが、立体は普段の授業よりも冴えないかも…と感じていました。
インタビュアー:試験本番で成功できた要因は何ですか?
佐々木さん:普段から気をつけていたことを忘れないようにすることです。
変に張り切るとなにかを失念して必ず失敗します。
本番で最高の作品を作るのではなく、普段どおりの力を出すことが一番重要です。
自分が緊張しているなら同じように周りも緊張しているので、冷静な判断ができるようにしておくと安全だと思います。
現役生は会場の雰囲気を知らないまま試験に挑むと思うので、事前に経験者にリサーチをかけておくと不安が減るかと思います。
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インタビュアー:受験時代に成長出来たきっかけを聞かせてください。
佐々木さん:他の人の作品と講評をしっかり聞くことです。
私はテーマ課題が苦手だったのですが、他の人が作った作品がよいと評価されているのはなぜか、テーマを強めるために工夫されていることが何か、なぜその部分を強めようとしたのか、などの分析をすることで、自分の制作をするにあたり参考にできる事が多くなったと思います。
また、自分が作品を選ぶ側になったとしたらどの作品を選ぶか、選ぶ基準はどうするかなど、常に客観的に評価する視点を持つように意識したことで、より見る人に伝わりやすい魅力的な作品を作ろうと努められたと思います。
インタビュアー: 受験時代のつらいエピソードを聞かせてください。
佐々木さん:自分の中で大幅な成長が感じられなかった時期があり、周りが格段に上達しているのに自分はあまり進めずにいるのでは…と凹んでいた時期がありました。
先生の褒め言葉も素直に受け取れずにできなかったことだけにフォーカスしてしまっていたので、ますますひどい精神状態になっていたと思います。
自惚れるのは危険ですが、褒められたら素直に受け取るのも大切です。
インタビュアー:実技上達の為に実践していた事はありますか?
佐々木さん:日頃から、身の回りのモノや起きている現象に興味を持って、これは作品作りに活かせるのでは、と脳内ストックを増やしていました。
現象物の魅力を一度見切って知っていれば、手元に現物がなくても魅力的な表情を記憶から引き出して作品に使うことができるのでおすすめです。
インタビュアー:大学生活では何をしたいですか?
佐々木さん:浪人生活で見失ってしまった自分のやりたいことや興味のあることを思い出したいです。
合格実績
☆合格者数15年連続全国1位☆
☆15年間で425名合格☆
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2021年度 芸大デザインコース
東京藝術大学 デザイン科
合格者32名
≪定員45名≫(現役5名)