2017年5月21日
彫刻科 石膏デッサンの描き方
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彫刻科担任の古池です。
彫刻科では、木炭を使って石膏デッサンを描きます。
以下の文章と画像は、以前当校の学生に配ったプリントに少し手を加えたものです。
皆さんの石膏デッサンの上達の参考になればと思います。
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①
描き出しは、自分がこの石膏像(ジョルジョ)になったような気になって、楽しんで描きます。
あくまで自然体で、のびのびリラックスして描きます。
失敗はしたくないけど、失敗して当たり前という姿勢です。
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②
引いて観る回数は、この時が一番多いですね。
小刻みに引いて観ます。
ここで、構図の確認と形のくるいを探すのを、これまた楽しみます。
大事なことは、形のくるいに気付ける状態に積極的に自分を持っていくことです。
くるいは早ければ早いほど気付きやすいし、直しやすいと思います。
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③
ぼくの場合は、炭はガンガン乗せます。
途中で消すことはしません。
ただし、むやみに乗せるのが目的ではなく、観て感じて引いた線の集積が、結果的に「炭が乗る」ということになる。
その炭の集積が、量感や形態表現への下地になると思います。
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④
ここからはマイナスの仕事とプラスの仕事、つまり炭をとったりつけたりしながら形を描き起こしていきます。
②の段階でだいたいの形の把握はできているので、あとは登山に例えれば下山のようなものです。
描写を楽しみながらデッサンを仕上げていきます。
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-完成-
完成です。
人体の構造と動き、手前と奥の距離感を最後まで意識して描きました。
-彫刻科 夏期講習 デモンストレーションのお知らせ-
今年も夏期講習期間中に現役藝大生を呼んで、実技のデモンストレーションを行います。
合格者の実力に直に接することのできる、またとないチャンスです。
日程は、中期の8月7日(月)、8月10日(木)、後期の8月22日(火)の3日間を予定しています。
※課題、内容、日程は変更する場合がございます。ご了承ください。