2017年5月30日
建築学科 -美術系大学と工学部系大学の違い part2-
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こんにちは、建築科です。
前回に引き続き今回も、美術系大学の建築学科と工学部系大学の建築学科の違いについてお話ししようと思います!
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前回、美術系大学の建築学科と工学部系大学の建築学科の違いについて、そもそも美大か総合大学か、といった観点から違いを説明させていただきました。
いろいろな大学があるとは思いますが、多くの方が『工学部系の建築科』を想像されるのではないでしょうか?
今回は
美術系大学の建築学科と工学部系大学の建築学科ではどう違うんだろう?第2弾!
ということで、『教育の違い』にフォーカスしてご説明したいと思います。
結論から言うと、この2つ、教わることの内容自体は大きく変わりません。
ただ、教え方がそれぞれ異なるように思っています。
例えば、どちらの大学に入ったとしても必ず「設計課題」といったものがあります。
具体的に敷地を設定され、住宅や公共施設など、課題に応じた用途の建築を提案する授業です。
担当の教授と毎週、自分の提案に対して意見を交わしながら、少しずつ作品をかたちにしていきます。
ここでの教授の考え方などが、将来自分が建築家やデザイナーになっていくうえでの礎になるのですが、
この教え方の違いこそが、美術系大学の建築学科と工学部系大学の建築学科の大きな違い
なのではないかと思います。
具体的に言うと、工学部系の場合、建築を提案するうえで、その建築のつくりかたの部分もとても重要視されます。
『構造や工法、設備など、実際その建築物を建てるとなった際に問題となるような部分に対しても合理的に解かれているか』、ということが大きな評価基準につながる教育をされているように感じます。
一方、美術系大学の建築学科の場合、その建築をつくることでその場所がどう変わるか、どんな意味を持つものなのか、といった、『出来上がるものに対していかに魅力的なストーリーを語れるか』、が最大の評価ポイントになっているかと思います。
実際私が芸大にいた頃、「こんな空間がつくりたいけど、実際こんな空間って構造的に作ることは可能なんでしょうか?」と教授に相談した際も、「なんとかなるよ」という感じで、その部分的なつくりの話よりも、それができることでどんな人たちの生活がどう良くなるのか、といった話を散々語り合い、「じゃあここはこういうかたちにしていこう」というように、最終的にできるものに対しての指導をとことんされた記憶があります。
さて、あなたが大学で建築を学ぶうえで、どういった教わり方をしていきたいかイメージできましたか?
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もし、このブログを読んでくれて美術系の大学で建築を学ぶことに興味を持ってくれた方は是非、オチャビに相談していただければと思います。
もっと具体的にあなたの疑問に答えさせていただきます。
以上、建築科でした!
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