MENU CLOSE
  1. HOME
  2. NEWS
  3. 映像科 感覚テストってなに?

映像科 感覚テストってなに?

2017.06.07

"/assets/uploads/_img/news/new_det_img_214.jpg" , "" "/assets/uploads/_img/news/new_det_img_235.jpg" , "感覚テスト_作品例" "/assets/uploads/_img/news/new_det_img_212.jpg" , "感覚テスト=「主人公」の心情の変化(イメージ)を文章で表現し、絵でハイライトを切り取り描く" "/assets/uploads/_img/news/new_det_img_98.jpg" , "映像科_授業風景_1" "/assets/uploads/_img/news/new​​​​​​​​​​​​​​_​​​​d​​​​​​e​​​​​​​​t​​​​​​​​​​_i​​​​​​​​​​​​​​mg​​​​​​​_​​​​​​​​​​​77.jpg" , "映像科_授業風景_2" "/assets/uploads/_img/news/new​​​​​​​​​​​​​​_​​​​d​​​​​​e​​​​​​​​t​​​​​​​​​​_i​​​​​​​​​​​​​​mg​​​​​​​_​​​​​​​​​​​78.jpg" , "映像科_授業風景_3"

映像科
感覚テストってなに?

    

こんにちは。OCHABI映像科担任の渡辺です。

映像の道を目指している受験生のみなさんへ、映像科の講師をしてるとよく聞かれる、「感覚テストってなに?」という疑問について答えたいと思います。

「感覚テスト」とは武蔵野美術大学映像学科が行なっている入試の形態です。
これは絵と文章で解答するものです。

今回はちょっと見るだけでは分からない「感覚テスト」の謎を、その内容において説明します。

まずは試験文を見てみましょう。ムサビ(武蔵野美術大学)が公表している入試試験問題の映像学科 一般入学試験 p.59の頁には、次のようにあります。
p.59の頁



例年、「この時が永遠に続くと思われた」が変わり、「下記の文章から想起される場所のイメージ、あるいは出来事のイメージを解答欄に絵と文章で表現しなさい。」という部分が2010年から変わらず、続いて出題されています。

場所のイメージ、出来事のイメージってなんだろう?

場所も分かります。出来事も分かります。
それらのイメージ、というところが漠然としていてわかりにくくありませんか?

イメージという言葉の意味は「心の中に思い受かべる物体や出来事や情景。心情。」ということです。

そして、この感覚テストのような、人に見せる表現において大事なことは、「誰の心情なのか決めて描く」ということです。
10年以上感覚テストの対策をしてきて、私たちはそのように考えています。

誰の心なのか?

ムサビが評価している合格作品から分析してみましょう。

前述の入試試験問題に戻って、p.60 – p.63の参考作品の一番目と二番目の作品を分析してみます。
p.60 – p.63

作品1

<絵>
満月の夜・一面のすすき野原

<文章>
一番目は病院のベッドの上で「その時」を待っている「私」が「じっとその時を待つのは 嫌だった。キレイな景色が見たかった」というところから、「どこまでも続くススキ畑」 に場所が移動し、「私」がそこで見た光景が、主人公の独白によって語られます。
そして最後に「私」の「視界が真っ白になってしまった」というところで、当初伏せられていた「その時」は「私の失明」だったのだということが分かり、これは失明する過程を描いた 話なんだ、ということが読み手に伝わります。
文章は「私の中で失明はとてもはかなく、とても魅力的なものだった」と結んで終わります。

作品2

<絵>
夜明け・オフィス街のビル群を高台のベンチに座って眺める二人

<文章>
二番目は、認知症の母親の世話をしてる「私」がコンビニのアメ袋を見ながら、小さい頃テストでいい点を取ると、厳しい母親がご褒美にアメをくれたことを思い出しているところから話が始まります。
「私」はバイトの夜勤明け、母親にせがまれ散歩に連れ出します。
街が一望できる高台へ舞台は移動し、そこから見えるオフィス街のビル群に対して「私」は「まぶしい」と思い、「社会にとり残されたような感情が胸のなかに渦巻く。
私は空に向かってため息をついた」と語られているところから、「私」が今の自分に対して感じている心情が伝わって来ます。
そんな「私」に対して、ふいに母親が「私」の名前を呼び、「がんばったご褒美」と言って、「私」にアメ玉を渡して来ます。
「茫然」としながら、懐かしい少年時代を思い出します。
最後に「しっかり街を見つめ」「私」は母親とともに帰路につくところでお話は終わります。

「主人公」という存在

両作品とも、全く違う存在ですが「私」がいます。
その私という視点から、場所や出来事のイメージが語られています。
物語の用語でこの「私」を主人公と呼びます。

この主人公を決めることが、イメージを表現するときにともて大切なのです。

「当たり前だよ」と思われる方がいらっしゃると思います。そうなんです。
とても当たり前のことなんですが、やってみると簡単なことではないことに気がつきます。

作品1の「私」は病院のベッドの上でじっと“その時”を待つのは嫌な人物です。
作品2の「私」は認知症の母親の世話とアルバイト生活で、社会に取り残されたようなもやもやとした感情を抱えている人物です。

結果だけみると簡単ですが、ここに至るまでの決定プロセスがしっかりあったことが伺えます。

「主人公」の心情を描くには?

では、主人公の心情(イメージ)を効果的に描くということはどういうことでしょうか?

それは、心情の変化を起こさせることです。

心情(イメージ)の変化によって、その輪郭がはっきり見え、人に伝わるのです。
今回、真面目に説明して長くなっていますが、イラストで表現するとこんな感じです。



この「主人公」の心情の変化(イメージ)を文章で表現し、絵でハイライトを切り取り描くというのが『感覚テスト』なのです。

いわゆる、これが物語と言われるものなのですが、入試試験では場所のイメージ、出来事のイメージと言っているんですね。

夏期講習で私たち映像科は、この「主人公」の心情(イメージ)の変化を描けるようになるよう、小さくステップを分けて指導します。
夏休みという時間を使って、一緒に物語を作ってみませんか?

なにか聞いてみたいことがあったら、お気軽にOCHABIまでご質問ください。

感覚テスト_作品例

2017 夏期講習について

2017 夏期講習 映像科のお申込みはこちら

映像科について

コース別無料体験 映像科 について