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2021 東京藝術大学 デザイン科 合格者インタビュー3

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増永さんの鉛筆デッサン

増永さんの色彩構成_1

増永さんの色彩構成_2

増永さんの色彩構成_3

今年度、東京藝術大学 デザイン科に合格された増永梨王さんのインタビューです。

インタビュアー
受験し合格した大学と専攻をすべて教えてください。
増永さん

東京藝術大学 デザイン科
多摩美術大学 統合デザイン学科
以上です。
増永さんの鉛筆デッサン


インタビュアー
御茶美とその他の予備校での違いはありましたか?
増永さん
試験本番では自分だけが頼りなので、日頃から講師に依存せず判断力を鍛えるのにはよい環境だと思います。
質問すれば丁寧に教えてくれますし、講評もしっかりしてくれます。
インタビュアー
受験生活の中でどのような事を意識していましたか?
増永さん
藝大を受験するのは今年で最後にしようと決めていたので、受かっても落ちても後悔しない一年を過ごそうと意識していました。
具体的には以下の3点です。

□制作中に自分の作品がいまいち良くないと思ったとしても終了時間まで諦めないこと。
□どんな出来でも必ず提出して講評してもらうこと。
□講師からの評価を参考に毎作品かならず分析すること。

また予備校の課題はあくまで練習でしかなく(極論ですが)、本番さえ成功すればいいというスタンスでいたので、失敗覚悟で積極的に色々な技法や構成に挑戦するようにしていました。
インタビュアー
あなたにとっての浪人生活はどのようなものでしたか?
増永さん
自分自身と徹底的に向き合うことができた期間でした。

あまり要領のいい人間ではなかったので、何度も失敗を繰り返したり、他の人たちが簡単に出来ることがなかなか出来なかったりと苦労しました。

他人と同じやり方では自分に勝ち目はないと思っていたので、手当たり次第にいろいろなことを試して、自分自身にフィットする方向性を模索する日々でした。

とても充実していたと思います。
インタビュアー
学科対策はどんな方法でやっていましたか?
増永さん
週に7時間程度ですが一応勉強していました。
教材は高校のテキストと英単語のアプリを携帯にインストールして使っていました。

共通テストの10日前くらいから予備校を休んで問題演習を中心に勉強しました。
インタビュアー
日頃の実技制作中に気を付けていたことはありますか?
増永さん

≪構成デッサン≫
石膏デッサンとは違い自分で構成や光の設定を自由に決められるという特性があるので、それを最大限有効利用しようと考えていました。
特に、モチーフ同士の表情の違いを際立たせるセッティングを意識していました。
あとは描写を妥協しないことです。

≪色彩構成≫
ニ次課題ではどんな問いに対しても、「自分ならこう答える」という意思表示を大事にしていました。

出題者が決めた正解を探すのではなく、自分が答えだと思った事を素直に、高いクオリティで表現することを目指していました。

明度対比・粗密などの見栄えのためのセオリーはある程度抑えながら、与えられたモチーフやテーマから自分が発想したことを自由に描こうと思っていました。

増永さんの色彩構成_1


増永さんの色彩構成_2


≪立体≫
精度を上げるためには要素を絞り込むことが肝心だと考えていました。

自分の作品で一番伝えたいことは何かをハッキリさせてからエスキースを何度もブラッシュアップし、制作に取り掛っていました。

立体物を平面上でエスキースするのが苦手だったので、小さくちぎった粘土でマケットを作ったりして360度美しく見えるよう計画していました。
インタビュアー
試験を終えたときに手ごたえはありましたか?
増永さん
絶対受かっているという自信はありませんでしたが、自分の実力は出しきれました。
二次試験を受けたのは4回目でしたが、「たとえこれで落ちていたとしても後悔しない」と思えたのは初めてでした。
インタビュアー
試験本番で成功できた要因は何ですか?
増永さん
自分の作品があまり良くないと気づいた時、慌てず冷静になれたことです。

手を止めて自分の作品を客観視する時間を設けました。
作業の優先順位を考え、タイムスケジュールを組み直したおかげでなんとか持ち堪えたのではないでしょうか。

その年はコンクールでも入試直前も失敗続きだったのですが、今考えるとそれらの経験が活きたのだと思います。
インタビュアー
受験時代に成長出来たきっかけを聞かせてください。
増永さん
御茶美では時々かなり不思議なテーマや条件の課題が出題されます。
はじめは戸惑っていましたが、自分の中の新たな観察の視点や、独自の構成・表現を生み出すチャンスだと解釈したことでそれらに対してポジティブな気持ちで挑めるようになれました。
インタビュアー
受験時代のつらいエピソードを聞かせてください。
増永さん
2浪の時に仲の良かった友人達は合格し、自分だけが不合格だったことが辛かったです。

もう一年頑張ったところで自分にはどうせ無理だとしか思えず、3浪目の春の時点では藝大を受験する気がありませんでした(私大のみ受験しようと思っていました)。

その後周囲の説得でもう一度芸大受験することを決めましたが、努力すればするほど報われなかったらどうしようという不安も大きくなり、常に苦しさを抱えていました。
増永さんの色彩構成_3


インタビュアー
実技上達の為に実践していた事はありますか?
増永さん
予備校での制作以外では基本的にインプットと整理が中心でした。

具体的には、絵画、イラスト、漫画、映画、アニメーション、ゲーム、写真、立体作品などジャンルを問わずとにかく沢山の作品に触れてそれらを自分なりに分析したり、過去の制作のプロセスを振り返って今同じ作品を制作するとしたらどういった手順で描くか(作るか)イメージトレーニングをしたりしていました。

描写練やクロッキーは必要だと感じた時にのみ行っていました。
インタビュアー
大学生活では何をしたいですか?
増永さん
いまは大学で目に入るもの全てが新鮮で、やってみたいことだらけです。
どんな課題も全力で取り組みながらじっくり自分の方向性を探していきたいです!

増永さんありがとうございました。

DATA

2021年度 芸大デザインコース合格実績

東京藝術大学 デザイン科 32名合格≪定員45名≫(現役5名)
☆合格者数15年連続全国1位☆
☆15年間で425名合格☆